クローゼットの奥にしまっていた、お気に入りのブランドバッグ。久しぶりに使おうと取り出してみたら、ポツポツと白いものが…。
「え、これってカビ!?」と血の気が引くような経験、ありませんか?
高価で思い入れのあるバッグだからこそ、ショックは大きいですよね。でも、諦めてしまうのはまだ早いです!実は、初期段階のカビであれば、ご家庭にあるもので安全に対処できる可能性があります。
この記事では、ブランドバッグのカビに悩むあなたのために、プロの視点から素材別のカビの落とし方、再発させないための徹底予防策、そしていざという時の頼れる対処法まで、網羅的に解説していきます。
この記事を読めば、以下のポイントがわかります。
- 自分で対処できるカビとプロに任せるべきカビの見極め方
- 革・ナイロン・キャンバスなど素材別の正しいカビ取り手順
- もうカビに悩まない!明日からできる効果的な予防策
- どうしても落ちないカビや臭いの最終手段
正しい知識を身につけて、あなたの大切なバッグをカビの脅威から守り、これからも長く愛用していきましょう。

まず確認!そのカビ、自分で落とせる?プロに任せるべき?

まず確認!そのカビ、自分で落とせる?プロに任せるべき?
カビを発見して、すぐにでも落としたい!と焦る気持ちはよくわかります。しかし、自己流で対処すると、シミが広がったり素材を傷めたりと、取り返しのつかないことになる可能性も。
まずは冷静にカビの状態を観察し、自分で対処できるレベルなのか、専門のクリーニング業者に任せるべきなのかを正しく見極めることが重要です。
自分で対処できるカビの見分け方
表面に生えた白カビ
バッグの表面に、ホコリのようにフワフワと付着している白カビは、比較的初期段階のカビです。根が浅いため、素材の奥深くまで侵食していないことが多く、ご家庭での対処が可能なケースがほとんどです。
範囲が狭いカビ
カビが生えている範囲が、数センチ程度の部分的なものであれば、自分でケアしやすいでしょう。広範囲に及ぶ前に、早めに対処することが大切です。
プロへの依頼を検討すべきカビの状態
根深い黒カビ・青カビ
白カビと違い、黒や青、緑色をしたカビは、素材の内部にまで根を張っていることが多い厄介なカビです。表面を拭き取っただけでは菌が残り、再発する可能性が非常に高くなります。シミとして跡が残ってしまうことも多いため、専門家への相談を強くおすすめします。
広範囲に広がったカビ
バッグ全体にカビが広がってしまっている場合も、個人での対処は困難です。見えない部分にも菌が潜んでいる可能性があり、完全な除去はプロの技術と専用の設備が必要になります。
ヌメ革やデリケートな素材
ルイ・ヴィトンの持ち手などに使われるヌメ革や、スエード、エナメルといったデリケートな素材は、非常にシミになりやすく、薬剤を使うと風合いが大きく変わってしまう恐れがあります。これらの素材にカビが生えた場合は、迷わずプロに任せるのが賢明です。
カビ臭がひどい場合
見た目のカビは取れても、ツンとしたカビ臭さが残ってしまうことがあります。この臭いの元もカビ菌です。臭いが強いということは、それだけ菌が深く、広範囲に繁殖している証拠。家庭用の消臭剤では根本的な解決は難しいため、専門の消臭・殺菌処理が必要です。

【素材別】ブランドバッグのカビの落とし方|自分でできる簡単ケア
「自分で対処できるカビ」だと判断できたら、いよいよカビ取り作業です。ブランドバッグは様々な素材で作られているため、素材に合った正しい方法でケアすることが、失敗を防ぐ最大のポイントです。ここでは代表的な素材別に、具体的な手順を解説します。
【革・レザーバッグ】のカビ取り方法|エタノールで優しく除去
革製品のカビ取りには、殺菌効果のある消毒用エタノールが有効です。薬局やドラッグストアで手軽に入手できます。
準備するものリスト
- 柔らかい布(マイクロファイバークロスなど):2〜3枚
- 消毒用エタノール
- 革専用クリーム(デリケートクリームなど)
- ブラシ(馬毛など柔らかいもの)
手順1:乾拭きで表面のホコリを払う
まずは、カビの胞子を吸い込まないようにマスクをし、屋外や換気の良い場所で作業を始めましょう。柔らかいブラシや乾いた布で、バッグ全体のホコリや表面に付着したカビを優しく払い落とします。
手順2:消毒用エタノールでカビを拭き取る
ここが最重要ポイントです。いきなりカビの部分にエタノールをつけるのではなく、必ずバッグの底や内側など、目立たない場所で色落ちやシミにならないかパッチテストを行ってください。
問題がなければ、柔らかい布に消毒用エタノールを少量含ませ、カビが生えている部分を優しく、撫でるように拭き取ります。ゴシゴシ擦るのは革を傷める原因になるので絶対にやめましょう。
手順3:革専用クリームで保湿ケア
エタノールを使うと、革の油分が失われ乾燥しやすくなります。カビを拭き取った後、風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させたら、革専用のクリームを少量布に取り、薄く均一に塗り込んで保湿しましょう。これにより、革がひび割れるのを防ぎ、美しい状態を保つことができます。

お気に入りの革バッグがふにゃふにゃになってお困りの方は、型崩れを直す方法も合わせてチェックしてみてください。
関連記事:お気に入りの革バッグがふにゃふにゃに?型崩れを直す方法と対策
【ナイロンバッグ】のカビ取り方法|中性洗剤でスッキリ
プラダなどで人気のナイロンバッグは、比較的お手入れしやすい素材です。ただし、ゴシゴシ洗いは生地を傷めたり、撥水加工が落ちたりする原因になるので注意しましょう。
準備するものリスト
- 柔らかい布:2枚
- おしゃれ着用の中性洗剤
- ぬるま湯
- タオル
手順1:固く絞った布で水拭き
まずは、ぬるま湯で濡らして固く絞った布で、バッグ全体の汚れを優しく拭き取ります。
手順2:薄めた中性洗剤で優しく叩き洗い
ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かし、布に含ませて固く絞ります。カビが生えている部分を、ポンポンと優しく叩くようにして汚れを浮かせます。その後、洗剤が残らないように、きれいな水で濡らして固く絞った布で何度も拭き取ります。
ナイロンバッグのべたつきが気になる場合は、重曹を使ったケアも効果的です。こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:人気ブランドのナイロンバッグとべたつきを重曹で解消するコツ
手順3:しっかりと乾燥させる
乾いたタオルで全体の水分を押し出すように拭き取ったら、風通しの良い日陰で完全に乾燥させます。湿気が残っていると、新たなカビの原因になるので、中までしっかり乾かすことが重要です。
【キャンバス・布製バッグ】のカビ取り方法|重曹や酸素系漂白剤が活躍
丈夫なキャンバス地も、油断するとカビが生えてしまいます。特に色の薄いバッグは黒カビが目立ちやすいので、早めの対処が肝心です。
準備するものリスト
- 歯ブラシ(使い古し)
- 重曹
- 酸素系漂白剤(色柄物用)
- タオル
手順1:歯ブラシでカビを払い落とす
革製品と同様に、まずは乾いた状態で表面のカビを歯ブラシで優しく払い落とします。屋外で、風上を向いて作業し、胞子を吸い込まないようにしましょう。
手順2:重曹ペーストでパック
重曹と水を2:1程度の割合で混ぜてペースト状にします。カビの部分に塗り、そのまま30分〜1時間ほど放置します。その後、湿らせた布や歯ブラシで優しくこすり落とし、きれいな水で絞った布で拭き取ります。
手順3:酸素系漂白剤でつけ置き(色柄物は注意)
重曹でも落ちない頑固な黒カビには、酸素系漂白剤が有効です。ただし、必ず「色柄物用」を選び、使用前に目立たない場所で色落ちテストを行ってください。規定の濃度に薄めた液にカビの部分だけをつけ置きし、様子を見ながら時間を調整します。その後はよくすすぎ、タオルドライしてから陰干しします。
洗えない布バッグの汚れ落としについては、こちらの記事も参考になります。
関連記事:洗えない布バッグ汚れ落としの極意|自宅でできるブランドバッグケア
バッグの内側のカビはどうする?見逃しがちなポケットもチェック
意外と見落としがちなのがバッグの内側。特にポケットの中や底の隅は湿気がたまりやすく、カビの温床になりがちです。
内側の素材を確認
まずは内張りが革なのか、布なのか、素材を確認しましょう。基本的な対処法は、外側と同じです。
上記の素材別対処法を適用
素材に合った方法で、丁寧にカビを取り除きます。綿棒などを使うと、隅々まで届きやすく便利です。
仕上げに消臭・除菌スプレー
カビを取り除いた後、仕上げにアルコールベースの除菌スプレーや革にも使える消臭スプレーを軽く吹きかけておくと、再発防止に効果的です。ただし、かけすぎるとシミの原因になるので、遠くから軽く一吹きする程度にしましょう。
もう繰り返さない!ブランドバッグをカビから守るための予防策

もう繰り返さない!ブランドバッグをカビから守るための予防策
カビを一度落としても、原因を取り除かなければ、またすぐに再発してしまいます。大切なのは、カビが生えにくい環境を作ること。日々のちょっとした心がけで、カビのリスクは大幅に減らすことができます。
なぜカビは生えるの?3つの原因を知ろう
敵を知り、己を知れば百戦危うからず。まずはカビが発生する条件を理解しましょう。
原因1:湿気(湿度70%以上)
カビが最も好むのは、湿度70%以上のジメジメした環境です。日本の梅雨時期や、結露しやすい冬場のクローゼットは特に注意が必要です。
原因2:汚れや皮脂(カビの栄養源)
バッグについた手垢、皮脂、食べ物のカス、そしてホコリなどは、すべてカビの栄養になります。一見きれいに見えても、目に見えない汚れが付着していることが多いのです。
原因3:通気性の悪さ
空気が動かない場所では湿気がこもり、カビが繁殖しやすくなります。クローゼットや押し入れにぎゅうぎゅうに詰め込んだり、購入時のビニール袋に入れたまま保管したりするのは絶対にNGです。

毎日のひと工夫でカビ知らず!正しい保管方法
バッグの中身は空にする
一日の終わりには、必ずバッグの中身をすべて取り出しましょう。レシートやお菓子のクズなどが残っていると、カビや虫の発生源になります。
風通しの良い場所に置く
理想は、床に直接置かず、棚の上など風通しの良い場所に保管することです。クローゼットにしまう場合でも、バッグとバッグの間隔を空けて、空気の通り道を作ってあげましょう。
不織布の袋に入れて保管する
ブランドバッグ購入時に付いてくる保管用の袋(多くは不織布製)は、通気性が良くホコリからも守ってくれるので、ぜひ活用しましょう。もしなければ、100円ショップなどでも手に入ります。
長期保管する際は、型崩れも気になりますよね。バッグに優しい詰め物の作り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:バッグの型崩れ防止!詰め物の作り方と100均アイテム活用法
定期的なお手入れとカビ防止グッズの活用
使用後は乾拭きを習慣に
バッグを使ったら、しまう前に柔らかい布でさっと乾拭きする習慣をつけましょう。これだけで、表面のホコリや皮脂汚れをかなり落とすことができます。
除湿剤や防カビ剤をクローゼットに置く
クローゼットや押し入れには、市販の除湿剤や防カビ剤を置いて、湿気対策を万全に。特に湿気がたまりやすい下の方に置くのが効果的です。
定期的に陰干しする
月に一度でも良いので、クローゼットからバッグを出し、直射日光の当たらない風通しの良い場所で「陰干し」をしてあげましょう。バッグの中の湿気を追い出し、リフレッシュさせる効果があります。
それでもカビが落ちない…困った時の対処法
自分でできる限りの手は尽くしたけれど、どうしてもカビが落ちない、臭いが取れない…そんな時は、無理せず次のステップに進みましょう。
専門のクリーニング業者に相談する
バッグ専門のクリーニング業者は、カビ除去のプロフェッショナルです。素材や状態に合わせた最適な方法で、見違えるほどきれいにしてくれる可能性があります。
料金相場はどのくらい?
料金はバッグの大きさや素材、カビの状態によって大きく異なりますが、一般的な目安としては以下の通りです。
- カビ取り(基本料金):5,000円~15,000円程度
- 全体のクリーニング:10,000円~30,000円程度
- 色補正や修理が伴う場合:追加料金が発生
決して安くはありませんが、大切なバッグが蘇ることを考えれば、検討する価値は十分にあります。
信頼できる業者の選び方3つのポイント
- 実績が豊富か:公式サイトに多くの修理・クリーニング事例が掲載されているか確認しましょう。特に、自分が持っているブランドや素材の取り扱い実績があるかチェック。
- 料金体系が明確か:作業前に必ず見積もりを出してくれ、追加料金の有無などを丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
- 問い合わせへの対応が丁寧か:電話やメールでの質問に、専門知識を持って親身に答えてくれるかどうかも重要な判断基準です。

修理期間の目安
修理期間は、業者の混み具合や修理の難易度にもよりますが、おおむね1ヶ月〜2ヶ月程度かかることが多いようです。大切なイベントなどで使いたい場合は、余裕を持って依頼しましょう。
カビが生えたバッグは買取してもらえる?
「クリーニング代をかけるよりは…」と売却を考える方もいるかもしれません。結論から言うと、カビが生えたバッグでも、ブランドや状態によっては買取してもらえる可能性はあります。
状態によっては買取可能な場合も
買取業者は、自社でクリーニングやリペアを行うノウハウを持っていることが多いです。そのため、多少のカビであれば、修理して再販できると判断されれば値段がつきます。
査定額への影響は大きい
ただし、当然ながらカビがない状態に比べて査定額は大幅に下がります。カビの状態がひどい場合や、需要の低いモデルの場合は、買取を断られることもあります。過度な期待はせず、「値段がついたらラッキー」くらいの気持ちで査定に出してみるのが良いでしょう。
自分で修理に挑戦する際の注意点
カビ以外にも、角のスレやひっかき傷が気になることもありますよね。自分で補修する際は、専用の道具を使い、必ず目立たない場所で試してから行いましょう。
関連記事:バッグ角擦れ補修を自分で解決!布バッグも100均で簡単補強
関連記事:革バッグのひっかき傷直し方|100均アイテムで簡単補修テクニック
Q&A|ブランドバッグのカビに関するよくある質問
ここでは、ブランドバッグのカビに関して、特によく寄せられる質問にお答えします。
カビの臭いが取れない時はどうすればいい?
見た目のカビは落ちても、あの嫌な臭いだけが残ることがあります。そんな時は、以下の方法を試してみてください。
- 重曹やコーヒーかす:通気性の良い袋に重曹や乾燥させたコーヒーかすを入れ、バッグの中に入れて数日置くと、湿気と臭いを吸着してくれます。
- 徹底した陰干し:天気の良い日に、数日間、風通しの良い場所でバッグの口を開けて徹底的に陰干しします。これだけでもかなり臭いは軽減されます。
ハイブランドのバッグでもカビは生えますか?(例:ルイ・ヴィトンなど)
はい、どんなに高級なハイブランドのバッグでも、保管環境が悪ければカビは生えます。特にルイ・ヴィトンのヌメ革のように、コーティングされていない天然皮革は湿気を吸いやすく、カビやシミのリスクが高い素材です。高級品だからと油断せず、日頃のケアと正しい保管を心がけることが大切です。
エタノール以外に使えるものはありますか?
革製品に使えるものとして、「逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)」があります。オスバンSなどの商品名で薬局で販売されており、エタノールよりも革への攻撃性が低いとされています。水で100〜200倍に薄めて使用しますが、こちらも必ずパッチテストを行ってから使用してください。
カビが生えたバッグをそのまま使うとどうなる?
カビが生えたバッグを使い続けることは、絶対におすすめできません。理由は2つあります。
- 健康への影響:カビの胞子を吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や皮膚炎、喘息などを引き起こす可能性があります。
- バッグの状態悪化:カビは時間とともに深く根を張り、素材を劣化させます。シミが定着したり、生地が脆くなったりして、最終的には修復不可能な状態になってしまいます。
カビは「見つけたらすぐ対処」が鉄則です。
まとめ:ブランドバッグのカビを自分で!素材別・安全な落とし方完全ガイド
今回は、大切なブランドバッグに生えてしまったカビの落とし方から、徹底的な予防策まで詳しく解説しました。
この記事の重要なポイントを最後におさらいしましょう。
- カビを見つけたら、まずは自分で対処できるかプロに任せるべきかを冷静に見極める。
- カビを自分で落とす際は、革・ナイロン・布など素材に合った方法で、必ずパッチテストを行う。
- カビの再発を防ぐには、「湿気・汚れ・通気の悪さ」という3大原因を取り除く保管方法が何より重要。
- 自分で対処できない根深いカビやデリケートな素材は、無理せず専門のクリーニング業者に相談する。
カビを発見すると、とてもショックで落ち込んでしまいますよね。しかし、正しい知識を持って丁寧に対処すれば、また美しい状態を取り戻せる可能性は十分にあります。
この記事を参考に、まずは今日からできる予防策を一つでも始めてみてください。そして、あなたの大切なバッグをカビから守り、これからも長く、楽しく愛用していきましょう!
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