「お気に入りの革バッグ、角が擦れて白っぽくなってる…」「少し色が落ちただけなのに、修理に出すのは高いし…」
そんな悩みを抱えて、もしかしたら100均アイテムで何とかならないかと、この記事にたどり着いたのではないでしょうか?大切にしていたバッグの色が落ちてしまうと、本当にショックですよね。
結論から言うと、革バッグの色落ち補修は、条件付きで100均アイテムでも可能です。しかし、やり方を間違えると、かえって状態を悪化させてしまう危険も…。
この記事では、元バッグ販売員の私が、誰でも安全に、そしてキレイに革バッグの色落ちを補修するための知識とテクニックを、余すことなくお伝えします。100均アイテムの限界から、プロが使う専用グッズまで、あなたの「どうしよう?」を「できた!」に変える情報が満載です。
この記事を読めば、以下のポイントがわかります。
- 100均で革バッグの色落ち補修ができるのか?その真実
- 【100均アイテム別】今日からできる具体的な補修方法と手順
- プロが実践する!失敗しないための重要な注意点
- 100均がダメな場合のおすすめ補修グッズと専門店の選び方
さあ、諦めていたそのバッグ、もう一度あなたの手で輝かせてみませんか?
まず確認!あなたの革バッグは100均で補修できる?

まず確認!あなたの革バッグは100均で補修できる?
100均アイテムで補修を始める前に、まず一番大切なことをお伝えします。それは、すべての革バッグが100均アイテムで補修できるわけではないということです。素材や状態によっては、専門的なケアが必要な場合もあります。まずはご自身のバッグがどちらのタイプか、冷静にチェックしてみましょう。

100均アイテムで補修できる革の種類・状態
比較的リスクが少なく、100均アイテムでの補修に挑戦しやすいのは、以下のようなケースです。
- 合成皮革(フェイクレザー)のバッグ:本革に比べて素材が均一で、表面加工されていることが多いため、補修剤が浸透しすぎず、失敗のリスクが低いです。
- ごく小さな範囲の色落ち:バッグの角や持ち手の一部など、ピンポイントの擦れや色落ち。範囲が狭ければ、もし失敗しても目立ちにくいです。
- 黒や濃い茶色など、基本的な色のバッグ:色が濃いため、多少の色味の違いが目立ちにくく、100均の靴クリームなどでも色を合わせやすいです。
100均での補修が難しい革の種類・状態
一方で、以下のような場合は100均アイテムでの補修は避け、専門の補修用品を使うか、プロに相談することをおすすめします。
- 本革(特にヌメ革やスエードなどデリケートな素材):本革は吸水性が高く、クリームや絵の具を塗るとシミになりやすいです。特にヌメ革は変色しやすく、元に戻せなくなる可能性があります。
- 広範囲の色落ちや全体的な色あせ:広い範囲を均一に補修するのは、プロでも難しい技術です。100均アイテムではムラになりやすく、かえって見栄えが悪くなる可能性が高いです。
- 淡い色(白、ベージュなど)や特殊な色のバッグ:微妙な色合いを100均アイテムで再現するのはほぼ不可能です。色が合わないと補修箇所だけが浮いてしまい、非常に目立ちます。
- ハイブランドのバッグ:高価なバッグは、使われている革や染料も特殊な場合があります。万が一失敗した場合のダメージが大きすぎるため、迷わず専門店に相談しましょう。
補修前に必ずチェック!色落ちの原因とは?
なぜ色落ちしてしまったのか、原因を知ることも大切です。原因によって、補修後の再発防止策も変わってきます。
主な原因 | 特徴 | 対策 |
---|---|---|
摩擦(擦れ) | バッグの角、底、持ち手、ショルダーベルトの付け根など、よく当たる部分が白っぽくなる。 | 補修後、防水スプレーで表面を保護する。満員電車などではバッグを前に抱える。 |
紫外線による日焼け | バッグ全体が均一に、または日光がよく当たる面だけ色が薄くなる。 | 保管時は不織布の袋に入れ、直射日光の当たらない風通しの良い場所に置く。 |
水濡れ | 雨などで濡れた部分がシミになり、その部分の色が濃くなったり、逆に抜けたりする。 | 事前に防水スプレーをかけておく。濡れたらすぐに乾いた布で優しく叩くように拭く。 |
油汚れ・皮脂 | 持ち手などが黒ずんでくる。革の油分と手の皮脂が混ざり、酸化して起こる。 | 定期的に革専用のクリーナーで汚れを拭き取る。 |
【100均アイテム別】革バッグの色落ち補修方法

【100均アイテム別】革バッグの色落ち補修方法
さあ、いよいよ実践編です!ここでは、ダイソーやセリアなどで手軽に購入できるアイテムを使った具体的な補修方法をご紹介します。どの方法を試す場合でも、必ず目立たない場所でテストしてから本番に臨んでくださいね。
【ダイソー・セリア】靴クリーム・靴墨を使った補修方法
最も手軽で基本的な方法が、靴クリーム(靴墨)を使うやり方です。特に、黒や濃い茶色の合皮バッグの角擦れには効果的です。
準備するもの
- 靴クリーム(ダイソーやセリアで販売。バッグの色に近いもの)
- 柔らかい布(Tシャツの切れ端などでOK。塗る用と拭き上げ用で2枚あると便利)
- 綿棒(細かい部分用)
- (あれば)革用クリーナー
- (あれば)防水スプレー

補修手順
- バッグの汚れを落とす
まずは補修したい部分の汚れやホコリを、乾いた布で優しく拭き取ります。汚れがひどい場合は、革用クリーナーを少量布につけて拭くとより効果的です。 - 【最重要】目立たない場所でテストする
バッグの底や内側の目立たない部分に、靴クリームを少量つけてみましょう。色の馴染み具合や、素材に変化がないかを確認します。ここで問題があれば、すぐに中止してください。 - 靴クリームを少量布にとる
布の先に、米粒程度の靴クリームをつけます。一度にたくさんつけるとムラの原因になるので、「少し足りないかな?」と思うくらいが丁度良いです。 - 薄く円を描くように塗り広げる
色落ちした部分に、優しく円を描くようにクリームを塗り込んでいきます。擦れて白くなった部分だけでなく、その周囲にも薄くぼかすように塗ると、自然な仕上がりになります。細かい部分は綿棒を使うと便利です。 - 乾かして乾拭きする
5〜10分ほど置き、クリームを乾燥させます。その後、キレイな方の布で優しく乾拭きし、余分なクリームを拭き取ります。この作業でツヤが出て、色移りも防げます。 - (推奨)防水スプレーで仕上げ
最後に防水スプレーを全体にかけると、補修した箇所が保護され、色落ちや色移りの再発防止になります。
靴クリームを使う際の注意点
靴クリームはあくまで靴用です。バッグに使う際は、色移りに最も注意が必要です。補修後、白い服などに擦れると色が付いてしまう可能性があります。乾拭きをしっかり行うこと、そして念のため補修後しばらくは濃い色の服と合わせるなど、少し気をつけてあげると安心です。
【ダイソー】アクリル絵の具を使った応用テクニック
靴クリームでは色が合わない…そんな時に試せるのが、アクリル絵の具を使った補修です。絵の具を混ぜて色を作れるため、靴クリームにはない色にも対応できるのが最大のメリット。ただし、難易度は少し上がります。
準備するもの
- アクリル絵の具(ダイソーなどで購入可能。黒、白、黄土色、赤など基本色を揃えると便利)
- 細い筆
- 水
- パレット(牛乳パックの底などで代用可)
補修手順
- バッグの汚れを落とす
靴クリームの時と同様に、補修部分をキレイにします。 - 絵の具を混ぜて色を作る
パレットに絵の具を出し、少しずつ混ぜてバッグの色に近づけていきます。ポイントは、「実際の色より少しだけ濃いめに作る」こと。絵の具は乾くと色が少し薄くなる性質があります。 - 目立たない場所でテストする
作った色を、バッグの目立たない場所で試します。乾いた後の色味を確認し、必要であれば再度調整します。 - ごく少量の水で薄め、薄く塗る
作った絵の具を、筆の先にほんの少しだけ水をつけて伸ばし、傷の部分に「色を乗せる」というよりは「染み込ませる」イメージで薄く塗ります。厚塗りすると、乾燥後にひび割れたり、ビニールのような不自然な質感になったりします。 - 乾燥と重ね塗りを繰り返す
ドライヤーの冷風などで軽く乾かし、色が薄ければ再度重ね塗りします。一度で完璧にしようとせず、2〜3回に分けて色を重ねていくのが成功の秘訣です。
アクリル絵の具を使う際の注意点
アクリル絵の具は乾くと耐水性になりますが、その分、革の風合いを損ないやすいというデメリットがあります。塗った部分が硬くなったり、ひび割れが起きたりするリスクも。あくまで「小さな傷を隠すための応急処置」と割り切り、広範囲への使用は避けましょう。

100均補修で失敗しないための重要ポイント
100均アイテムは手軽ですが、使い方を誤ると大切なバッグを傷つけてしまうことも。ここで紹介する3つのポイントを必ず守って、安全に補修を行いましょう。
必ず目立たない場所で「パッチテスト」を行う
これは何度もお伝えしている通り、最も重要な工程です。バッグの革の種類や加工方法によっては、思わぬ化学反応を起こしてシミになったり、変色したりする可能性があります。
【テストにおすすめの場所】
- バッグの底面
- 内ポケットの内側やフラップの裏側
- ショルダーストラップの付け根の裏側
ここに少量だけ補修剤を塗り、半日ほど置いてみて、色の変化、質感の変化、ベタつきなどが出ないかを確認してから、本番の作業に移ってください。
一度に厚塗りしない!薄く何度も重ねるのがコツ
早く終わらせたいからと、一度にたくさんのクリームや絵の具を塗るのは絶対にNGです。厚塗りすると、以下のような失敗の原因になります。
- 色が濃くなりすぎて、周りと馴染まない
- ムラができてしまい、補修箇所が悪目立ちする
- 乾燥後にひび割れが起きる
- 乾ききらずにベタつき、色移りの原因になる
「薄く塗って、乾かして、また薄く塗る」。この地道な作業が、結果的に一番キレイな仕上がりへの近道です。
補修後のケアが重要!色移りを防ぐ方法
せっかくキレイに補修できても、服に色が付いてしまっては台無しですよね。補修後は、以下のケアを徹底しましょう。
- 十分な乾燥:補修後、最低でも24時間は風通しの良い場所でしっかりと乾かします。
- 徹底的な乾拭き:乾いた後、柔らかい布で優しく、しかし念入りに乾拭きします。布に色がつかなくなるまで行いましょう。
- 防水スプレーでコーティング:仕上げに革用の防水スプレーを吹きかけることで、表面に保護膜ができ、色移りを効果的に防げます。同時に、水や汚れからもバッグを守ってくれるので一石二鳥です。
100均は不安…そんなあなたにおすすめの専用補修グッズ
「やっぱり100均のアイテムを大切なバッグに使うのは少し怖い…」「もう少しクオリティ高く仕上げたい!」と感じる方も多いはず。そんな方のために、初心者でも扱いやすく、プロのような仕上がりが期待できる専用の補修グッズをご紹介します。
初心者でも簡単!革用補修クリーム(カラー補修)
100均の靴クリームとの最大の違いは、革製品への定着力と豊富なカラーバリエーションです。革の柔軟性を損なわずに色を補い、色移りもしにくいのが特徴です。
革製品の傷、色落ちに。絵の具のように色混ぜも可能
世界中のシューケアリストに愛用されるフランスのブランド「サフィール」。このクリームは伸びが良く、初心者でもムラなく塗りやすいのが魅力。カラーも豊富で、混ぜ合わせて自分のバッグにぴったりの色を作れます。
サフィール レノベイティングカラー補修クリーム ¥1,320~(参照:SAPHIR公式サイト)
使い方は100均の靴クリームとほぼ同じ。汚れを落とした後、布や指で薄く塗り込み、乾いたら乾拭きするだけ。色の定着力が高いので、色移りの心配が少なく安心して使えます。
プロ仕様の仕上がり!革用染料(染めQ)
部分的な色落ちではなく、広範囲の色あせや、全体の色を変えたい場合におすすめなのが、スプレータイプの革用染料です。粒子が非常に細かく、素材の内部に浸透して染め上げるため、まるで元からその色だったかのような自然な仕上がりになります。
ナノテク密着技術で、引っ張ってもねじっても剥がれない
「染めQ」は、革だけでなくプラスチックや金属にも使える万能スプレー。革の質感をそのままに、美しくカラーチェンジが可能です。スプレータイプなので、広範囲でもムラなく均一に塗布できます。
染めQエアゾール ¥880~(参照:染めQテクノロジィ公式サイト)
スプレータイプは手軽ですが、周囲への飛び散りに注意が必要です。作業は必ず屋外の風通しの良い場所で、新聞紙などを広く敷いて行いましょう。マスキングテープで金具などを保護することも忘れずに。
どこで買える?購入場所まとめ
これらの専用グッズは、以下のような場所で購入できます。
- 東急ハンズ、ロフト:シューケア用品コーナーやレザークラフトコーナーに置いてあることが多いです。実際に色味を確認できるのがメリット。
- ホームセンター:DIYコーナーや塗料売り場に「染めQ」などが置いてあります。
- Amazon、楽天市場などの通販サイト:カラーバリエーションが豊富で、口コミを参考にしながら選べます。
どうしても無理ならプロに相談!料金相場と依頼先の選び方
「自分でやるのはやっぱり不安…」「ルイ・ヴィトンやシャネルなど、高価なブランドバッグだから絶対に失敗したくない」
そんな時は、無理せずプロに任せるのが最善の選択です。特にブランド品は、その価値を理解し、専門的な技術を持つお店に依頼することが重要です。

【編集部おすすめ】大切なバッグを任せるならココ!
数ある修理店の中でも、特にブランドバッグの修理で圧倒的な実績と信頼を誇るのが、日本初のルイ・ヴィトン修理専門店「REPAIR-SHOP HIRAISHIYA」です。大切なバッグを安心して預けられる、おすすめのポイントがたくさんあります。
メーカーで断られた修理も可能にする高い技術力
- 創業80年の信頼と実績:昭和17年創業。厚労省認可の老舗だからこその安心感があります。
- 日本一のルイ・ヴィトン修理実績:専門店ならではの豊富な知識と経験で、どんな状態でも相談に乗ってくれます。
- 国家資格者による特殊技術:勤続30年の国家資格を持つ職人が在籍。メーカーで断られた難しい修理も可能です。
- 往復送料無料で気軽に相談:見積もりや相談だけでも、往復送料がかからないのは嬉しいポイント。
- 他ブランドもOK:エルメス、グッチ、シャネルなど、他の高級ブランドの修理も高い技術で対応してくれます。
「もう使えないかも…」と諦める前に、一度プロの目で診断してもらってはいかがでしょうか。無料で見積もり依頼ができるので、まずは公式サイトをチェックしてみてください。
バッグ修理専門店のサービス内容とは?
専門店では、単に色を塗るだけでなく、様々なサービスを提供しています。
- クリーニング:全体の汚れやシミを専門的な技術で洗浄します。
- 部分補修(リペア):擦れや傷がある部分だけを、周りの色と違和感なく補修します。
- 全体染め直し(リカラー):日焼けなどで色あせてしまったバッグ全体を、均一に染め直します。元の色に戻すだけでなく、別の色にカラーチェンジすることも可能です。
- コーティング加工:修理後に色落ちや傷がつきにくくなるよう、表面を保護します。
気になる料金相場は?
料金はバッグの大きさ、素材、傷の状態によって大きく変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
修理内容 | 料金相場 |
---|---|
角擦れの部分補修(4箇所) | ¥5,000 ~ ¥15,000 |
持ち手・ハンドルの補修・染め直し | ¥8,000 ~ ¥20,000 |
バッグ全体の染め直し(Sサイズ) | ¥15,000 ~ ¥30,000 |
バッグ全体の染め直し(Mサイズ) | ¥20,000 ~ ¥40,000 |
※あくまで目安です。正確な料金は必ず店舗に見積もりを依頼してください。
信頼できる専門店の選び方
大切なバッグを預けるのですから、お店選びは慎重に行いたいですよね。先ほど紹介した専門店のように、以下のポイントをチェックしましょう。
- 修理実績が豊富か:公式サイトやSNSで、自分と似たようなブランドや症状のバッグの修理実績が多数掲載されているか確認しましょう。
- 口コミや評判が良いか:Googleマップの口コミや、SNSでの評判をチェックします。良い評価だけでなく、悪い評価にどう対応しているかも見ておくと良いでしょう。
- 見積もりが明確か:「なぜこの金額になるのか」「どのような作業を行うのか」を、素人にも分かりやすく丁寧に説明してくれるお店は信頼できます。
- 問い合わせへの対応が丁寧か:電話やメールでの問い合わせに、迅速かつ丁寧に対応してくれるかも重要な判断基準です。
まとめ
今回は、100均アイテムを使った革バッグの色落ち補修について、その可能性と限界、そして具体的な方法を詳しく解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 100均アイテムでの補修は「合皮」「小さな範囲」「黒や茶色」の条件が揃えば挑戦の価値あり。
- 補修の基本は「靴クリーム」、応用編として「アクリル絵の具」があるが、どちらもリスクを理解した上で使うこと。
- 失敗しないための絶対条件は「パッチテスト」「薄く重ね塗り」「補修後のケア」の3つ。
- 仕上がりを重視するなら、サフィールなどの専用補修クリームを使うのがおすすめ。
- 高価なバッグや自分では難しい場合は、無理せずプロの修理専門店に相談するのが賢明。
色落ちしてしまった革バッグも、諦める必要はありません。まずは100均アイテムで、バッグの目立たない隅っこから試してみませんか?
ほんの少しの手間と愛情をかければ、あなたの大切なバッグはきっと輝きを取り戻し、再びお出かけのパートナーとして活躍してくれるはずです。
この記事が、あなたの「やってみよう!」という一歩を後押しできれば、これほど嬉しいことはありません。
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