クローゼットの奥から久しぶりに取り出したお気に入りのバッグ。なんだか、もわっとかび臭い…。そんな経験ありませんか?
大切にしまっていたはずなのに、どうしてカビ臭くなってしまったんだろう…とショックを受けますよね。私、バッグコンシェルジュのYUIも、昔お気に入りの革バッグをダメにしてしまい、涙をのんだ経験があります。
でも、諦めるのはまだ早いですよ! その頑固なかび臭さ、正しいケアでスッキリ解消できるかもしれません。
この記事では、500種類以上のバッグをレビューしてきた私が、素材の知識を基に、ご家庭でできるカビ臭いニオイの取り方を徹底解説します。
この記事を読めばわかること
- 原因がわかる!なぜバッグがかび臭くなるのか
- 素材別に解説!革・合皮・布製品の正しいニオイ取り方法
- もう失敗しない!バッグを傷めるNGケア
- ニオイを再発させない!プロが実践する保管術
お気に入りのバッグをもう一度、気持ちよく使えるように、一緒に頑張りましょう!

カビのニオイは放置するとどんどん強くなります。気づいた時が対策のチャンスですよ!
なぜ?大切にしていたバッグがかび臭くなる原因
まず、なぜバッグがかび臭くなってしまうのか、その原因から探っていきましょう。敵を知ることで、正しい対策が見えてきますよ。
湿気と汚れがカビ菌の大好物
カビが発生する主な原因は、「湿気」「温度」「栄養分」の3つが揃うことです。
日本の気候は湿度が高く、特に梅雨の時期や、風通しの悪いクローゼットの中はカビにとって天国のような環境なんです。
- 湿気: 60%以上でカビは活動を始め、80%を超えると一気に増殖します。
- 温度: 20~30℃が最もカビが好む温度です。
- 栄養分: バッグについた手垢や皮脂、食べ物のカス、そして革や布自体もカビの栄養になります。
つまり、少し汚れた手で触ったバッグを、風通しの悪い場所にそのまま保管してしまうと、「どうぞ増殖してください」とカビに言っているようなものなのです。
素材ごとのカビやすさの違いって?

なぜ?大切にしていたバッグがかび臭くなる原因
バッグの素材によっても、カビの生えやすさは異なります。
- 本革
- 動物の皮から作られているため、カビの栄養分が豊富。特に、なめし方によっては湿気を吸いやすく、一度カビが生えると根が深くまで入り込んでしまうことがあります。
- 合皮(PU・PVC)
- 合成樹脂でできているため、本革に比べるとカビにくいとされています。しかし、表面についた手垢や汚れを放置すると、それを栄養源にカビが発生します。
- 布(キャンバス・ナイロン)
- 湿気を吸いやすく、一度吸い込むとなかなか乾きにくいのが特徴。特に目の粗いキャンバス生地などは、繊維の奥にカビが入り込んでしまうことも。

意外とナイロンも油断大敵!表面はツルツルでも縫い目や内側に湿気が溜まりやすいんですよ。
【素材別】カバンのかび臭いニオイを取る方法
お待たせしました!ここからは、具体的なニオイ取りの方法を素材別に解説していきます。ご自身のバッグの素材を確認してから、試してみてくださいね。
本革バッグのかび臭いニオイ対策
デリケートな本革バッグは、優しく丁寧なケアが重要です。水やアルコールはシミや硬化の原因になるので、基本的には使いません。
STEP1: 固く絞った布で優しく拭く
まずは、バッグの表面と内側のホコリや汚れを乾いた柔らかい布で取り除きます。その後、別の布を水で濡らし、これでもか!というくらい固く、固く絞ってから、バッグ全体を優しく拭き上げます。カビの胞子を拭き取るイメージです。
STEP2: 風通しの良い場所で陰干し
拭き終わったら、バッグの口を全開にし、直射日光の当たらない風通しの良い場所で徹底的に陰干しします。これが一番重要です!最低でも2~3日、できれば1週間ほど干して、内部の湿気を完全に飛ばしましょう。ニオイがかなり軽減されるはずです。
STEP3: 革専用の消臭・除菌スプレーを使う
陰干ししてもまだニオイが気になる場合は、革専用の消臭・除菌スプレーを使いましょう。必ず「革用」「レザー用」と書かれたものを選んでください。バッグから30cmほど離して、全体に軽くスプレーし、再度陰干しして乾燥させます。
※使用する際は、必ずバッグの目立たない部分(底や内側など)で試してから、全体に使うようにしてくださいね。

革用のスプレーって、どこで買えるの?

靴の修理屋さんや、百貨店のバッグ売り場、東急ハンズなどで手に入りますよ!後ほどおすすめ商品もご紹介しますね。
カビが目に見える場合は要注意!
もし、ニオイだけでなく白いフワフワしたカビや黒い点々が見えてしまったら…!それはニオイだけでなく、カビそのものを除去する必要があります。
そんな時は、こちらの記事で詳しいカビの落とし方を解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。デリケートなブランドバッグでも安心な方法をご紹介しています。
合皮(フェイクレザー)バッグのかび臭いニオイ対策
本革に比べて丈夫な合皮は、少しだけ積極的なケアが可能です。ただし、素材の劣化には注意しましょう。
STEP1: 中性洗剤を薄めた液で拭く
おしゃれ着洗い用などの中性洗剤を、水で100倍くらいに薄めます。柔らかい布にその液体をつけ、固く絞ってからバッグ全体を拭きます。ゴシゴシ擦ると表面が傷むので、優しく拭いてください。
STEP2: しっかり水拭き&乾拭き
洗剤成分が残っているとベタつきや劣化の原因になるので、きれいな水で濡らして固く絞った布で、何度も拭き取ります。最後に、乾いた布で水分を完全に取り除きましょう。
STEP3: 消毒用エタノールで仕上げの除菌
仕上げに、消毒用エタノールを布に少量含ませて、サッと全体を拭くと除菌効果が高まります。ただし、合皮の種類によっては色落ちやコーティングが剥がれる可能性があるので、必ず目立たない場所で試してから行ってください。
布製(キャンバスなど)バッグのかび臭いニオイ対策
布製のバッグは、思い切って洗ってしまうのが一番効果的です。
STEP1: 洗濯表示を確認
まずは、バッグの内側についている洗濯表示を必ず確認!「洗濯おけ」のマークがあれば、家庭で洗えます。持ち手が革などの異素材の場合は、その部分を濡らさないように注意が必要です。
STEP2: 酸素系漂白剤でつけ置き
40℃くらいのお湯に、粉末の酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を溶かし、バッグを30分~1時間ほどつけ置きします。酸素の泡がニオイの元を分解してくれます。塩素系漂白剤は色落ちするので絶対に使わないでください。
STEP3: しっかりすすいで天日干し
つけ置きが終わったら、優しく押し洗いし、洗剤成分が残らないようによくすすぎます。その後、タオルで水気をしっかり吸い取り、形を整えてから風通しの良い場所で天日干しします。紫外線には殺菌効果もあるので、布製バッグには天日干しがおすすめです。

型崩れが心配な場合は、タオルを詰めて干すと形がキレイに保てますよ。ぜひ試してみてくださいね!
身近なアイテムでできる!カビ臭さ対策【裏ワザ編】
「専用のスプレーを買いに行く時間がない!」という方のために、お家にあるものでできる応急処置的な裏ワザもご紹介します。
重曹を使った消臭術
お掃除でおなじみの重曹には、湿気とニオイを吸着する効果があります。使い古しの靴下や、お茶パックなどに重曹を入れ、口をしっかり縛ってバッグの中に入れておくだけ。数日間放置すると、嫌なニオイがかなり和らぎますよ。
コーヒーの出がらしや緑茶の茶葉も効果的
消臭効果があることで知られるコーヒーかすや緑茶の茶葉も使えます。しっかりと乾燥させた出がらしを、重曹と同じようにお茶パックなどに入れてバッグの中へ。ほのかに良い香りが移るのも嬉しいポイントです。
これはNG!バッグを傷める間違ったニオイ取り
良かれと思ってやったことが、実はバッグの寿命を縮めているかもしれません。私がお客様からよく聞く「やりがちなNGケア」をご紹介します。
天日干しは色褪せや素材の劣化を招く
先ほど布製バッグでは天日干しをおすすめしましたが、本革や合皮のバッグを直射日光に当てるのは絶対にNGです!紫外線は、色褪せやひび割れ、素材の硬化など、あらゆる劣化の原因になります。必ず「陰干し」を徹底してください。
香水や香りの強い消臭スプレーでごまかすのは逆効果
かび臭いニオイを、香水や芳香剤で上書きしようとするのはやめましょう。カビのニオイと香りが混ざり合って、さらに不快なニオイに変化してしまいます。まずは、ニオイの元を断つことが先決です。
ドライヤーの熱風を当てるのは絶対にダメ!
「早く乾かしたいから」とドライヤーの熱風を当てるのも厳禁です。特に革製品は、急激な熱で変形したり、表面がカサカサになってしまいます。合皮も熱に弱く、溶けたり変形したりする恐れがあります。
カビ臭さの再発を防ぐ!正しいバッグの保管方法
一度ニオイが取れても、また同じ環境に保管していては意味がありませんよね。カビ臭さを二度と発生させないための、正しい保管方法を伝授します!
長期保管前には必ず汚れを落とす
シーズンオフなどでバッグを長期間使わない場合は、しまう前に必ずお手入れをしましょう。乾いた布で全体を拭いてホコリを落とし、手垢などがつきやすいハンドル部分は固く絞った布で拭いておくだけでも効果的です。
バッグの中に詰め物をして形をキープ
バッグを空のまま保管すると、型崩れするだけでなく、湿気がこもりやすくなります。丸めた新聞紙やあんこ(購入時に入っている詰め物)などを入れて、形を整えましょう。新聞紙は湿気を吸ってくれるので一石二鳥です。ただし、インクが色移りしないよう、薄い紙で包んでから入れるのがおすすめです。
不織布の袋に入れて風通しの良い場所へ
購入時についてきた布製の袋(保存袋)や、100円ショップなどで手に入る不織布の袋に入れて保管しましょう。通気性が良く、ホコリからも守ってくれます。ビニール袋は通気性が最悪なので絶対にNGです!
保管場所は、湿気が溜まりにくい、棚の上段などがベストです。クローゼットの場合は、定期的に扉を開けて空気を入れ替えたり、除湿剤を置いたりする工夫も大切です。

たまにバッグを外に出して、風に当ててあげる「虫干し」も効果抜群ですよ。お洋服と一緒ですね!
どうしてもニオイが取れない…そんな時の最終手段
セルフケアを色々試しても、どうしてもニオイが取れない…。そんな時は、無理せずプロに頼るのが一番です。
バッグ専門のクリーニング店に相談しよう
高価なブランドバッグや、思い入れのある大切なバッグは、バッグ専門のクリーニング店に相談しましょう。専門の知識と技術で、素材を傷めずにカビの根元から洗浄・消臭してくれます。
料金はかかりますが、自分で試して失敗してしまうリスクを考えれば、結果的に安くつくこともあります。いくつかの店舗で見積もりを取ってみるのがおすすめです。
ニオイ対策におすすめ!お役立ちグッズ紹介
ここでは、私が普段から愛用している、カビ臭さ対策に本当に役立つアイテムをいくつかご紹介しますね。
【M.MOWBRAY モールドクリーナー】
革製品のカビ除去・予防の定番アイテム!スプレータイプで使いやすく、除菌効果も高いので、ニオイの元から断ってくれます。革靴やジャケットにも使えるので、一本持っておくと本当に便利です。(参照:M.MOWBRAY公式サイト)
ご紹介した「M.MOWBRAY モールドクリーナー」はこちら
【Dr.Scholl 消臭・抗菌靴スプレー】
こちらは靴用ですが、バッグの内側の消臭・除菌にも大活躍!ニオイの元となる雑菌の繁殖を抑えてくれます。速乾性なので、スプレー後にすぐ使えるのも嬉しいポイント。バッグの内布が布製の場合に特におすすめです。(参照:ドクター・ショール公式サイト)
ご紹介した「Dr.Scholl 消臭・抗菌靴スプレー」はこちら
まとめ
いかがでしたか?今回は、バッグのかび臭いニオイを取るための方法を、原因から対策、予防まで詳しくご紹介しました。
今回のポイント
- カビ臭さの主な原因は「湿気」と「汚れ」。
- ニオイ取りは、本革・合皮・布など素材に合わせた方法で行うことが鉄則。
- 再発防止には、日頃の「風通しの良い保管」が何よりも重要。
- セルフケアで難しい場合は、無理せずプロに相談する勇気も大切。
かび臭くなってしまったバッグも、愛情を込めて正しくケアすれば、また輝きを取り戻してくれます。
この記事が、あなたの大切なバッグを救う手助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
お気に入りのバッグと一日でも長く付き合っていくために、ぜひ今日からできることから試してみてくださいね!
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