「久しぶりに使おうと思ったキャンバストートに、ポツポツと黒い斑点が…!」
「湿気の多いクローゼットに入れていたら、布バッグからカビ臭いニオイがする…」

お気に入りのバッグにカビを見つけた時のショック、計り知れませんよね。捨てようか迷っているそのバッグ、まだ諦めないでください!
実は、布バッグのカビは「洗濯機に入れる前のひと手間」で劇的にキレイになります。逆に言えば、いきなり洗濯機に放り込むのはNG。カビが落ちないどころか、洗濯槽の中にカビ菌を撒き散らしてしまう恐れすらあるのです。
この記事では、布バッグ・トートバッグの頑固なカビを、生地を傷めずに根こそぎ落とす「プロ級の洗濯術」を徹底解説します。
この記事でわかること
- 洗濯機NG?カビを広げないための「正しい事前処理」
- 頑固な黒カビを消滅させる「オキシ漬け」のやり方
- 「持ち手が革」のバッグでもカビを取る裏技
- もう二度とカビさせないための保管テクニック
1. 【最重要】いきなり洗濯機はダメ!布バッグのカビ取り鉄則
カビを見つけると、慌てて洗濯機に放り込みたくなりますが、ちょっと待ってください。
通常の洗濯コースだけでは、繊維の奥に根を張ったカビ(特に黒カビ)は落ちません。それどころか、他の衣類にカビ菌が移ったり、バッグの型崩れの原因になります。
布バッグのカビ取りは、「つけ置き(殺菌・漂白)」→「洗濯機(洗い流し)」の2ステップが鉄則です。
カビの種類で「落としやすさ」が違う
まず、あなたのバッグについたカビがどのタイプか確認しましょう。
| カビの種類 | 特徴 | 難易度 |
|---|---|---|
| 白カビ | 表面にフワッとついている白い粉状のカビ。 | 易しい |
| 黒カビ | 繊維の奥に入り込んだ黒い点々。ポツポツしている。 | 難しい |
白カビなら、アルコール(エタノール)で拭き取ってから手洗いするだけで落ちることが多いです。
しかし、厄介なのは「黒カビ」。これは繊維の奥まで色素が沈着しているため、漂白剤の力が必要です。
「カビ=カビキラー」と思いがちですが、色柄物の布バッグに塩素系を使うと、色が抜けて真っ白になったり、生地がボロボロになります。必ず「酸素系漂白剤」を使いましょう。
2. 【軽度のカビ・ニオイ】洗剤を使いたくないなら「重曹」
「まだカビはポツポツ程度」「子供が使うバッグだから、強い洗剤は使いたくない」
そんな方には、ナチュラルクリーニングの王様「重曹」がおすすめです。
漂白力は酸素系漂白剤(オキシクリーン等)に劣りますが、初期の白カビや、カビ特有の嫌なニオイを消す力には優れています。
重曹洗いが向いているケース
- 表面にうっすら白いカビがついている
- カビのシミはないが、カビ臭いニオイがする
- 色落ちがとにかく心配
重曹ペースト&つけ置きの手順
- 重曹ペーストを作る
重曹と水を「2:1」の割合で混ぜて、ドロっとしたペースト状にします。これをカビ部分に直接塗り込み、1時間ほど放置します。 - 重曹水につけ置き
40℃前後のぬるま湯1リットルに対し、重曹大さじ3〜4杯を溶かします。そこにバッグを一晩つけ置きします。重曹の消臭効果で、イヤなニオイがスッキリ取れます。 - クエン酸で仕上げ(あれば)
すすぎの際、水にクエン酸(またはお酢)を少量入れると、中和されてフワッと仕上がります。
安心・安全の国産品質
100円ショップの重曹でも代用可能ですが、バッグは肌に触れるもの。不純物が少なく、水に溶けやすい国産の「シャボン玉石けん」シリーズが安心です。
余っても、鍋の焦げ落としや冷蔵庫の消臭剤として家中で使えるので、一袋あると便利です。
重曹洗いをしても「黒いポツポツが残る」場合は、カビが繊維の奥まで根を張っています。
このレベルになると重曹のパワーでは限界です。次の章で紹介する「酸素系漂白剤(オキシ漬け)」へ進んでください。
3. 頑固な黒カビを一掃!最強の「オキシ漬け」手順
「洗っても黒い点々が消えない…」
そんな布バッグの救世主となるのが、酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を使った「つけ置き洗い(オキシ漬け)」です。

お湯の温度と酵素の力で、繊維を傷めずにカビの色素だけを分解します。
用意するもの
- 酸素系漂白剤(オキシクリーンやワイドハイターEXなど)
- 40℃〜60℃のお湯(お風呂の温度より少し熱いくらい)
- バケツや洗面器
- ゴム手袋
- ブラシ(使い古しの歯ブラシでOK)
なぜこれが必要?
カビ取りには「泡の力」が必要です。このアメリカ版オキシクリーンは、日本版と違い「界面活性剤」が含まれているため、洗浄力が段違い。
もこもこの泡が繊維の奥の黒カビに入り込み、ゴシゴシこすらなくても汚れを浮かせて剥がし取ります。 生地へのダメージを最小限に抑えながら、真っ白に復活させたいならコレ一択です。
【手順】驚くほど白くなるオキシ漬けのやり方
- 表面のホコリやカビを払い落とす
乾いたブラシやコロコロを使い、表面のカビ胞子をできるだけ取り除きます。(※屋外で行うのがおすすめ!) - お湯に漂白剤を溶かす
バケツに40℃〜60℃のお湯を張り、オキシクリーンを付属スプーン1杯(または規定量)入れ、よく混ぜて泡立てます。
ポイント:水ではなく「お湯」を使うことで、酸素系漂白剤の効果が最大化します。 - バッグをしっかり浸ける
バッグ全体がお湯に浸かるように沈めます。浮いてくる場合は、重し(水を入れたペットボトルなど)を乗せましょう。
つけ置き時間:1時間〜6時間(カビの程度に合わせて調整してください) - 軽くこすり洗い&すすぎ
時間が経ったら取り出し、カビが残っている部分を歯ブラシで優しくこすります。その後、新しい水でヌルヌルがなくなるまでしっかりとすすぎます。
4. 「持ち手が革」のトートバッグはどうする?
「LL.Bean」や「DEAN & DELUCA」などの人気トートバッグによくあるのが、本体はキャンバス(布)だけど、持ち手や底がレザー(革)というパターン。

絶対に丸洗いやオキシ漬けをしないでください!
革が水分を吸って硬くなったり、革の色が染み出してキャンバス生地に移り、取り返しのつかないシミになります。このタイプは「部分洗い」と「専用スプレー」で対処します。
革パーツがあるバッグのカビ取り手順
- マスキング:革部分に洗剤がつかないよう、ラップやマスキングテープで保護します。
- 部分洗い:カビ部分だけを、酸素系漂白剤を染み込ませたタオルでトントンと叩き洗いします。
- 革専用クリーナー:革部分にもカビが生えている場合は、革専用のカビ取りクリーナーを使います。
革パーツのカビにはこれしかない
プロも愛用するシューケアブランドの「カビ専用除去スプレー」です。 有機ヨードが主成分で、革を傷めずにカビ菌を元から断ちます。
水洗いができないレザーハンドル部分や、バッグの内側の除菌に最適。スプレーして拭き取るだけなので、失敗のリスクがほぼゼロです。1本持っておくと革靴やブーツのカビ対策にも使えます。
5. 洗濯機で仕上げるコツと、最も重要な「乾燥」
つけ置きでカビを撃退したら、最後は洗濯機ですすぎと脱水を行います。
ここでもポイントがあります。

- 必ず洗濯ネットに入れる:型崩れやプリント剥げを防ぎます。
- 脱水は「1分」だけ:ここが重要!長時間脱水するとシワシワになり、アイロンでも戻らなくなります。水が垂れない程度で止めるのが、プロのような仕上がりのコツです。
絶対に生乾きにしない!
カビの原因は「湿気」です。洗った後に生乾きだと、すぐにカビが再発します。

- 直射日光は避ける(色あせ防止のため、風通しの良い日陰干しがベスト)
- バッグの口を大きく開けて干す(中にトイレットペーパーの芯などを突っ張らせると空気の通り道ができます)
- 2日以上かけて完全に水分を飛ばす
6. もう二度とカビさせない!保管の鉄則
苦労してキレイにしたバッグ、来シーズンもカビだらけ…なんて悲劇は避けたいですよね。
保管時に「これ」を入れるだけで、カビのリスクを激減させることができます。
半永久的に使える「調湿」のプロ
使い捨ての除湿剤は「水が溜まったら交換」が面倒ですが、これは島根大学と共同開発された「調湿木炭」。天日干しするだけで、半永久的に繰り返し使えます。
湿気を吸うだけでなく、乾燥しすぎると放出してくれるのが最大の特徴。革パーツのあるバッグでもひび割れを防ぎながら、最適な湿度をキープしてくれます。
この「スマート小袋」は19cm四方とコンパクトで、トートバッグの中にスポッと入れるのに最適なサイズ感。5袋セットなら、お気に入りのバッグ全てに配置できてコスパも最強です(1袋あたり約660円)。
布バッグのカビ取りに関するよくある質問
Q. 色柄物のトートバッグもオキシ漬けして大丈夫?
A. 基本的には大丈夫ですが、オキシクリーン(酸素系漂白剤)でも長時間つけ置きしすぎると色落ちする可能性があります。心配な場合は、目立たない場所でテストするか、つけ置き時間を30分程度に短縮して様子を見てください。
Q. カビ取りした後、バッグが少しシワシワになってしまいました…
A. 脱水時間が長すぎた可能性があります。半乾きの状態で、低温〜中温のアイロンを当てるとシワが伸びて綺麗に仕上がります(プリント部分は避けてください)。
Q. クリーニングに出すといくらくらいかかりますか?
A. バッグの大きさや素材によりますが、一般的に3,000円〜10,000円程度が相場です。「ハイブランドで失敗できない」「自分では落としきれない」場合は、無理せずプロに依頼するのも賢い選択です。
まとめ:布バッグのカビは「オキシ漬け」で復活できる!
布バッグやトートバッグのカビは、洗濯機任せにせず、「酸素系漂白剤でつけ置き(オキシ漬け)」をすることで、驚くほどキレイに除去できます。
- 軽度のカビならアルコール、重度の黒カビならオキシクリーン
- 色落ちが心配なら液体のワイドハイターEX
- 革パーツがあるなら絶対に洗わず、モゥブレィの除去スプレー
- 仕上げは短時間脱水&シリカゲルで完全乾燥
諦めて捨ててしまう前に、ぜひこの方法を試してみてください。真っ白によみがえったバッグを持って、また気持ちよくお出かけしましょう!





