お気に入りのショルダーバッグでお出かけしようとしたら、「ブチッ…」という嫌な音とともに、肩からずり落ちてしまった…。そんな経験はありませんか?
バッグとショルダーベルトをつなぐ「付け根」の部分は、最も負荷がかかりやすく、壊れやすい箇所です。
「もうこのバッグは使えないのかな…」「修理に出すと高そうだし…」と諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません!
実は、ショルダーバッグの付け根の故障は、原因によっては自分で、しかも意外と簡単に修理できるんです。
この記事では、まるで裁縫が苦手な私でもできた、原因別の詳しい修理方法から、100均グッズを使った応急処置まで、写真や動画を交えて徹底的に解説します。
お気に入りのバッグをもう一度、あなたの手で復活させてみませんか?

この記事を読めば、以下のポイントがわかります。
- ショルダーバッグの付け根が壊れる根本的な原因
- 布・革・金具など、原因に合わせた具体的な修理方法
- 100均アイテムでできる、驚くほど簡単な応急処置テクニック
- 自分で修理が難しい場合の対処法とプロへの依頼の目安
まずは確認!ショルダーバッグの付け根が壊れる3つの原因

まずは確認!ショルダーバッグの付け根が壊れる3つの原因
「どうして壊れちゃったんだろう?」
修理を始める前に、まずはなぜ付け根が壊れてしまったのか、その原因を探ってみましょう。原因がわかれば、適切な修理方法が選べるだけでなく、今後の再発防止にも繋がります。
経年劣化による革や布の破れ
長年愛用しているバッグほど、生地そのものが弱くなっていることがあります。特に、革製品は乾燥によって硬化し、ひび割れや破れが起きやすくなります。
布製のバッグも、摩擦や紫外線によって繊維が脆くなり、ある日突然ビリっと破けてしまうことも少なくありません。
荷物の入れすぎによる負荷
これが最も多い原因かもしれません。
ノートパソコンや分厚い本、ペットボトルなど、重い荷物を日常的に入れていると、バッグの付け根の一点に常に大きな負荷がかかり続けます。
その重さに耐えきれず、縫い目の糸が切れたり、生地が引きちぎれるように破れてしまったりするのです。

Dカン・カシメなど金具の破損
ショルダーベルトを連結している「Dカン」や「ナスカン」といった金具。これらが錆びたり、変形したりして壊れてしまうケースです。
また、金具をバッグ本体に固定している「カシメ」という留め具が、負荷によって外れてしまうこともあります。金具自体は無事でも、固定部分がダメになってしまうパターンですね。
自分で修理する前に|メリット・デメリットと注意点
「よし、自分で直してみよう!」と意気込む前に、少しだけ立ち止まって考えてみましょう。
自分で修理することには、良い点もあれば、知っておくべき注意点もあります。後悔しないためにも、両方をしっかり理解しておくことが大切です。
自分で修理する3つのメリット
- 費用を安く抑えられる
最大のメリットは、やはりコスト面でしょう。プロに依頼すれば数千円~数万円かかる修理も、自分でやれば材料費の数百円程度で済む場合があります。 - すぐに修理できる
お店に持って行く手間や、修理が完了するまでの待ち時間がありません。必要な道具さえあれば、思い立ったその日に修理を始められます。 - 愛着がさらに湧く
自分の手で修理したバッグは、まさに世界に一つだけのもの。手間をかけた分だけ、より一層愛着が湧き、大切にしようという気持ちが強まります。
デメリットと注意点|こんな場合は慎重に!
一方で、デメリットも存在します。
- 失敗して状態を悪化させるリスク
慣れない作業で、見栄えが悪くなったり、最悪の場合、修理前より状態が悪化してしまう可能性もゼロではありません。 - ブランド品の価値が下がる可能性
特にハイブランドのバッグの場合、自分で修理すると正規店での修理を受け付けてもらえなくなったり、買取査定額が大幅に下がったりすることがあります。 - 専用の道具が必要な場合がある
特に、革の修理やカシメの交換には、専用の道具が必要になることがあります。初期投資が多少かかることも念頭に置いておきましょう。

特に、お気に入りの革バッグがふにゃふにゃになってしまった時の対処法など、デリケートな素材の扱いに不安がある方は、まずはこちらの記事で基本的な知識を得てから判断するのもおすすめです。
お気に入りの革バッグがふにゃふにゃに?型崩れを直す方法と対策
【原因別】自分でできるショルダーバッグ付け根の修理方法
お待たせしました!ここからは、いよいよ具体的な修理方法を、原因別に詳しく解説していきます。ご自身のバッグの状態と照らし合わせながら、読み進めてくださいね。
ケース1:縫い目がほつれた・布が破れた場合の修理方法
付け根の縫い糸が切れてしまったり、その周辺の布地が破れてしまったりした場合の修理方法です。手縫いでも、コツさえ掴めばかなり頑丈に仕上げることができます。
準備するものリスト
- 手縫い針:厚手の生地にも通しやすい、少し太くて丈夫なものがおすすめ。
- 丈夫な糸:ポリエステル製の手縫い糸や、ジーンズステッチ用の太い糸が最適です。バッグの色に合わせましょう。
- 指ぬき:硬い生地に針を通す際、指を守ってくれます。安全のためにぜひ用意してください。
- 接着剤:布用接着剤や、手芸用ボンド。縫う前の仮止めにあると便利です。
- (あれば)補強布:デニムのハギレや革の小片など。裏から当てると強度が格段にアップします。
- はさみ、ペンチ
修理手順
手順1:ほつれた部分の確認と下処理
まずは、残っている古い糸をリッパーや小さなハサミで丁寧に取り除きます。破れている場合は、破れた箇所の周辺を少し大きめにきれいに整えましょう。
手順2:適切な糸と針を選ぶ
糸は、1本ではなく2本取り(糸を針に通した後、2本そろえて玉結びする)にすると強度が上がります。針も、生地の厚さに合わせて無理なく通るものを選びましょう。
手順3:「半返し縫い」で頑丈に縫う
付け根のような力がかかる部分は、ミシン縫いのように丈夫な「半返し縫い」が最適です。通常のなみ縫いよりも、格段にほつれにくくなります。
言葉で説明するよりも、動画で見るのが一番わかりやすいですよね。こちらの動画が「半返し縫い」のやり方を丁寧に解説してくれているので、ぜひ参考にしてみてください。
手順4:【強度アップの裏ワザ】補強布を使う
もし生地自体が弱っているなら、裏側に一回り大きな「補強布(あて布)」を当てて、一緒に縫い込みましょう。力が分散され、同じ場所が再び破れるのを防いでくれます。不要になったジーンズの生地などが丈夫でおすすめです。

バッグの角擦れも、似たような補強テクニックで修理できます。気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
バッグ角擦れ補修を自分で解決!布バッグも100均で簡単補強
ケース2:革が破れた・切れた場合の修理方法
革製のバッグは、布よりも少しだけ修理の難易度が上がりますが、適切な道具を使えばきれいに補修することが可能です。
準備するものリスト
- 革用接着剤:必ず「革用」または「多用途強力タイプ」を選びましょう。
- あて革:補修する革と似た色・質感の革のハギレ。手芸店などで手に入ります。
- ヘラ、つまようじ:接着剤を均一に塗るために使います。
- 紙やすり:細かい目のもの(400番~600番程度)。
- (あれば)レザー補修クリーム:色を合わせることで、修理跡が目立たなくなります。
- マスキングテープ
修理手順
手順1:破れた部分のクリーニング
まず、破れた部分とその周辺の汚れを固く絞った布で拭き取り、完全に乾燥させます。接着力を高めるために、接着面の裏側を紙やすりで軽くこすって、少しだけザラつかせます。
手順2:あて革をカットし、接着剤を塗る
破れた部分よりも一回り大きくカットした「あて革」を用意します。バッグの破れた部分の裏側と、あて革の両方に、ヘラや爪楊枝で革用接着剤を薄く均一に塗ります。

手順3:貼り合わせて圧着する
接着剤が半乾きになったら、ピンセットなどを使って、あて革をバッグの裏側から慎重に貼り付けます。表側から破れた革をぴったりと合わせ、硬い板などで挟んで、数時間~1日程度、しっかりと圧着させます。
手順4:仕上げ
完全に接着できたら、はみ出した接着剤をきれいに取り除きます。もし修理跡が気になる場合は、バッグの色に合ったレザー補修クリームを薄く塗り込むと、より自然な仕上がりになります。
ちょっとしたひっかき傷なら、もっと手軽な方法もあります。大切な革バッグをきれいに保ちたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
革バッグのひっかき傷直し方|100均アイテムで簡単補修テクニック
ケース3:Dカンなどの金具が外れた・壊れた場合の修理方法
金具の交換は、一見難しそうですが、「カシメ」という部品の使い方さえマスターすれば、DIYの幅がぐっと広がります。
準備するものリスト
- 交換用の金具:壊れたものと同じサイズ・形のDカンやナスカンなど。手芸店やネットで購入できます。
- カシメと打ち具セット:金具を固定するためのリベットのような部品です。サイズがあるので、取り付ける革や布の厚みに合わせて選びます。
- ポンチ(穴あけ工具):カシメを通すための穴を開ける道具。
- ハンマー、ゴム板
- ペンチ
修理手順
手順1:壊れた金具とカシメを取り外す
まず、ペンチやニッパーを使って、古いカシメを壊して取り外します。革や布を傷つけないように、慎重に作業してください。
手順2:新しい金具を取り付け、穴を開ける
金具を取り付ける部分(根革など)に、新しい金具を通します。次に、ゴム板の上で、ポンチとハンマーを使って、カシメの足を通すための穴を開けます。
手順3:カシメを打ち込む
開けた穴にカシメの足を通し、上から頭をかぶせます。打ち台の上にカシメをセットし、打ち具を当てて、ハンマーで垂直に数回叩きます。これでカシメが固定され、金具が取り付けられます。
カシメの打ち方は、力加減が少し難しいかもしれません。こちらの動画がとても参考になりますよ。
トートバッグをショルダーバッグにリメイクする際も、この金具取り付けテクニックが役立ちます。興味のある方は、こちらの記事もどうぞ。
簡単DIY!トートバッグをショルダーに!後付けクリップと100均で大変身
100均グッズでできる?驚きの簡単応急処置テクニック

100均グッズでできる?驚きの簡単応急処置テクニック
「専用の道具を揃えるのはちょっと…」「とりあえず、今日一日だけ乗り切りたい!」そんな時に役立つのが、100円ショップのアイテムを使った応急処置です。本格的な修理ではありませんが、覚えておくと非常に便利ですよ。
「裾上げテープ」や「補修シート」で布バッグを補強
アイロンで接着できる「裾上げテープ」や、シールタイプの「合皮補修シート」。これらは、布バッグの付け根の裏側に貼るだけで、簡易的な補強になります。
ほつれが広がるのを防いだり、少し破れた部分を塞いだりするのに効果的です。
「多用途強力接着剤」で革の仮止め
革が少しだけ剥がれてきたり、切れかかっている場合に有効です。つまようじの先で接着剤を少量つけ、しっかりと押さえて乾かすだけで、一時的に進行を食い止めることができます。
「カラビナ」や「二重リング」で金具の代用
Dカンが壊れてしまった場合、その部分に「カラビナ」を通せば、即席の連結パーツになります。デザインのアクセントにもなるかもしれませんね。
また、キーホルダーなどに使われる「二重リング」も、ペンチで開いて通せば、代用品として十分機能します。

こんな時はプロに任せよう!修理業者の選び方
自分で修理する魅力をお伝えしてきましたが、バッグの状態や種類によっては、プロの技術に頼るのが最善の選択である場合もあります。
プロに依頼すべきケースとは?
- シャネルやルイ・ヴィトンなどのハイブランド品:資産価値を損なわないためにも、正規店か信頼できる高級バッグ専門の修理業者に依頼しましょう。
- 損傷が広範囲にわたる、または激しい場合:付け根だけでなく、本体まで大きく裂けているようなケースは、素人では修理が困難です。
- 自分で修理する自信がない、きれいに仕上げたい:やはりプロの仕上がりは格別です。修理跡をほとんどわからなくしてくれます。
- 特殊な素材や構造のバッグ:エナメルや爬虫類系の革、複雑なデザインのバッグなどは、専門知識が必要です。
信頼できる修理業者の選び方
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- 実績や口コミを確認する:公式サイトの修理事例や、SNS、Googleマップなどの第三者の口コミをチェックしましょう。
- 料金体系が明確か:「〇〇円~」だけでなく、どのような作業にいくらかかるのか、詳細な料金表があると安心です。
- 事前の見積もりは必須:修理に出す前に、必ず写真などを送って見積もりを取り、料金と修理内容に納得してから依頼しましょう。
- 問い合わせへの対応が丁寧か:質問に対して、親身に、そして専門的に答えてくれるかどうかも重要な判断基準です。
気になる修理料金の相場は?
お店やバッグの状態によって大きく変動しますが、一般的な料金の目安は以下の通りです。
修理内容 | 料金相場 |
---|---|
付け根の縫い直し(片側) | 約3,000円 ~ 8,000円 |
根革(付け根の革パーツ)交換(片側) | 約8,000円 ~ 15,000円 |
Dカンなどの金具交換(1箇所) | 約3,000円 ~ 6,000円 |
自分で修理する場合のコストと、プロに頼んだ場合の仕上がりと安心感。両方を天秤にかけて、最適な方法を選んでくださいね。
大切なバッグを長持ちさせるために|普段からできる予防策

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修理も大切ですが、そもそも壊さないように使うのが一番ですよね。
ここでは、ショルダーバッグの付け根に負担をかけず、長く愛用するための簡単なコツをご紹介します。
荷物を入れすぎない
基本中の基本ですが、これが最も効果的です。バッグの容量の7~8割程度を目安に、重すぎるものを入れるのは避けましょう。耐荷重はバッグによって異なります。
定期的に状態をチェックする
月に一度でも良いので、付け根の縫い目にほつれがないか、革にひび割れがないか、金具が緩んでいないかなどをチェックする習慣をつけましょう。早期発見が、大事に至るのを防ぎます。
防水スプレーなどで保護する
革や布は、水分や汚れによって劣化が進みます。使用前に防水スプレーをかけておくだけで、耐久性が大きく向上します。特に革製品は、定期的なクリームでの保湿も忘れずに。
白いバッグの汚れ対策など、デリケートな色のバッグのお手入れに悩んでいる方は、こちらの記事がきっと役立ちますよ。
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使わない時は適切に保管する
長期間使わない時は、中に詰め物をして型崩れを防ぎ、不織布の袋などに入れて、風通しの良い場所で保管しましょう。湿気はカビの原因にもなります。
万が一カビが生えてしまっても、慌てないでください。こちらの記事で対処法を詳しく解説しています。
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まとめ:ショルダーバッグ付け根の修理は自分でできる!原因別の直し方完全ガイド

まとめ:ショルダーバッグ付け根の修理は自分でできる!原因別の直し方完全ガイド
今回は、自分でできるショルダーバッグの付け根の修理方法について、原因別に詳しく解説しました。いかがでしたでしょうか?
この記事の重要なポイントを最後におさらいしましょう。
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- ショルダーバッグ付け根の破損は、「生地の劣化」「重さによる負荷」「金具の破損」が主な原因。
- 布のほつれは「半返し縫い」と「補強布」で、革の破れは「革用接着剤」と「あて革」で修理可能。
- 金具の交換は「カシメと打ち具」があれば、意外と簡単に自分でできる。
- ハイブランド品や損傷が激しい場合は、無理せずプロの修理業者に相談するのが賢明。
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壊れたからといって、すぐに諦めてクローゼットの奥にしまい込んでしまうのは、とてももったいないことです。
自分の手で修理したバッグは、きっと以前にも増して特別な存在になるはずです。
この記事を参考に、ぜひあなたの大切なバッグの”主治医”になってあげてください。さあ、道具箱を開けて、お気に入りのバッグを復活させる第一歩を踏み出しましょう!
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